過剰融資問題とは
銀行のカードローンは消費者金融とは違い、総量規制の対象にならないため、年収の低い方でも過剰に融資を受けることが出来る点が問題になっています。また消費者金融と銀行のカードローンが合併している所もあり、実質的に消費者金融から融資を受けているのと変わらない状況が続いていました。この過剰融資の問題が発覚するまでにはかなりの時間がかかっており、2015年には消費者金融を抜いて銀行のカードローンが立場を逆転するまでになりました。
その後、自己破産者の数が増加している事が取り上げられるようになり、金融庁からも調査が入るようになったのです。金融庁が行った主な調査は、貸付している金額が適正なものであるのか、また広告宣伝に関しても過剰に行っていないかなどになります。調査の結果により収入証明書を契約時に必要にしたり、広告規制を行うなどの試みが始まることになりました。収入証明書が必要とされることで、年収に見合う融資を行うことが出来るようになったのです。
即日融資停止などの自主規制が進む
今までは銀行のカードローンを契約すると即日融資を行っており、どの様な利用者でも審査さえ通れば直ぐに即金を手に入れる事が可能でした。即日融資を停止することで、利用者にとっては利便性が落ちることになりますが、審査に時間を掛けることが出来るので、審査基準にも大きく影響をもたらす結果になっています。自主規制の段階ではありますが、多くの銀行がこの規制を導入しており、これからはますます融資を受ける際の手続きが難しくなる可能性が高くなっています。
他にも行われている自主規制はあり、収入に合わせた融資を行うように自主規制が設けられている銀行も増えてきているのです。また今まではテレビコマーシャルなども数多く行われており、テレビコマーシャルが放映されている時間帯も子供が目にすることが多い時間帯でしたが、テレビコマーシャルの自粛もされてくるようになりました。更に借りやすい表現を用いた表現も控えるようになりました。
銀行カードローンの審査の流れ
銀行のカードローンに審査を申し込みをすると勤務先に在籍確認を取ることから始まる場合が多いです。申し込みを行うと信用情報の紹介を行い、他に借入をしている借金と融資を行う金額のバランスを考えるようになっており、自主規制をしている行っている影響で、審査から融資までの期間も長くなりました。今までなら即日で審査が終わっていた所も最短の場合でも翌営業日に審査結果が来ることが多くなり、銀行の審査が終わった後も保証会社の審査が入る為、両方の審査に通らないと融資を受けることが出来ません。
無事に通過することが出来た場合に限り、融資してもらうことが可能です。融資をしてもらう前には店舗まで来店して契約書を記入するか、インターネットで契約をした場合には郵送で契約書を返送する必要があります。郵送での契約の場合はカードが手元に届くまで時間がかかる為、融資を受けることが出来るまでにより時間がかかる可能性が高まりますので注意が必要です。
銀行カードローンが総量規制の対象になる可能性
銀行のカードローンは消費者金融と同じ様に総量規制の対象になる可能性が出てきています。消費者金融に総量規制を設けたおかげで、消費者金融から融資をする金額を減らすことに成功することが出来ましたが、その分銀行のカードローンが融資をしているので、自己破産者の数は増えている状況が続いています。多重債務者をへらすこと為に作られた消費者金融に対する総量規制も銀行が貸付している融資が多くなれば意味がなくなりますし、事実貸付をしている金額が多すぎると指摘を受けている状況です。
金融庁もこの状況を重く見ており、総量規制を導入する様に促している段階です。今はまだ法律的に決まっている訳ではなく自主規制の段階ではありますが、このままの状況が続くとこれ以上多重債務者を増やさないためにも銀行も総量規制になる可能性が考えられます。この規制を避けるために銀行側も数々の自主規制を設けて、極力多重債務者を出さないように取り組みが始まっている段階です。
まとめ
消費者金融だけを対象とした総量規制をするも事実上銀行のカードローンの貸付が過剰に行われている問題が浮き彫りになりました。銀行側としてもこの状況は深刻と捉えており、数々の自主規制に踏み切っています。まずは審査を厳格化して、即日融資を自主規制をするように行い、テレビコマーシャルなどの自粛も始まりました。また審査を行う際にも今までは不要であった収入証明書をつけて審査をすることで、過剰に融資をする事にストップをかけている状態です。
審査も当日中ではなく、翌営業日に結果を伝えるようになり、今まで以上に基準の見直しが行われています。基準の見直しを行うことで、利用者にとっては利便性は低くなりましたが、業界全体で自主規制を行うことで、金融庁から促されている総量規制の枠内に取り入れられる危険を回避する動きが出ています。自主規制だけでうまくいくことが出来る場合は総量規制の枠組みに入れられる可能性を減らすことが出来るため、取り組みにも力が入っている状態です。